いざ生きめやも

先日、「いざ生きめやも」という言葉が突然頭に浮かんだ。
風立ちぬ、いざ生きめやも」と続くと気がついて、なるほど、
宮崎駿の引退の記事を読んでいたときのことでありました。
ネットで調べたら、「めやも」は反語なので、「生きめやも」は
「生きることはないだろう」という意味になるらしい。
「生きていこう」という意味にするには「生きざらめやも」
にしなくてはいけないとか。
しかし、「生きざらめやも」ではいかにも語呂が悪い、
舌がベトつく(中にザラメが入っているから)。「いざ生きめやも」は
語法的にはNGだけど、「いざ」があるから「生きていこう」という
意味は伝わるだろうと、堀辰雄が考えたのだろうという好意的な解釈に
なっているようです。
東大国文科卒業の堀辰雄が、よもや間違いに気付かなかったということは
ないだろうということです。
もちろん、堀辰雄の単純ミスという見方もあるようです。
一説によると、「生かざらめやも」が正しいということのようですが、
これでは、まるでイカの照り焼き。
それにしても、堀辰雄は何か言い残していないのでしょうか。
いざ探しめやも。