あわやAED

 ふるさと祭りの準備で東京ドームに向かった際、高速道路のサービスエリアで休憩したときのこと。建物の方へ歩く人々の後ろの一角がよろよろと揺れました。人が倒れたのです。近づいてみると、しらないおじさんですが、意識がないようです。誰かが声をかけ、誰かが119番を回し、私は建物の中に入り中の人に急を伝えました。
 おじさんに毛布をかけているうちに、「AEDを」という声があがり、売店の人がAEDを持ち出しました。ムラの防災訓練で一度だけ使ったことがあるし、音声誘導だから何とかなるかなどと考えているうちに、おじさんの目が開きました。
 よかった、よかった。
 で、おじさんの第一声は「たばこが吸いたい」
 ……
 みんな、そそくさとその場を離れました。

 いつも思うのですが、AEDに、「自動体外式除細動器」以外のやさしい日本語の名前は付けられないものでしょうか。たとえば「心臓活入れ器」のような。
 AEDや「自動体外式除細動器」という名前では、広い理解と普及は望みにくいと思うのですが。
 細動が心室細動(心臓の痙攣)のことで、除細動が痙攣を止めることだということは聞かないとわかりません。