フリーダムライダーズ

先日、夜中にEテレで、「フリーダムライダーズ(自由な乗客?)」というドキュメンタリーを見ました。「フリーダムライダーズ」というのは、以下のような社会運動なのだそうです(以下は、ネット上の番組宣伝)。
フリーダムライダーズのことを、今回初めて知りました。凄い話でした。50年前、深南部が「暴力の地」として呼ばれていて、実際にそうした事件が起きてしまうことに驚きました。「イージーライダー」を思い出します。どこかに関連性がありそうです。
番組は、いろいろな人の葛藤を、下の解説よりももっと深く描いています。
話の発端がそんなに深刻でない調子で始まり、やがて、南に下るに連れて想定をはるかに超える事件を呼び込み、社会活動家たちの思惑さえもはるかに超えた運動になって行く展開も興味深いものでした。
アメリカは凄い国です。


南部では人種分離法によって、学校もレストランもトイレや乗合バスの座席も、はては救急車までもが白人用と非白人用に分けられていました。これに抗議するボイコットや座り込みが広がり、連邦最高裁判所は1960年末に、南部の人種隔離法は憲法違反であるとする判決を出しました。でも南部はこれに従わず、連邦政府も強制措置はとらず、差別の実態はなにも変わりませんでした。

その半年後、10人あまりの黒人と白人のグループが南部行きの長距離バスに一緒に乗り込み、人種による座席の区別を公然と破ってみせました。彼らは自分たちを「フリーダムライダーズ」と呼び、身の危険を賭して連邦政府の姿勢をただしたのです。白人至上主義者から暴行されたり、地元警察に逮捕されたりで、先発グループが途中放棄を余儀なくされると、次のグループが出発しました。暴力にひるむどころか、次々に志願者が現われ、全米から集まった400人以上のライダー達でミシシッピの刑務所が一杯になったと言います。こうした命がけの非暴力抵抗運動の結果、ついにバス停や駅から人種分離の標識が撤廃されました。