火葬の時間

先日、葬式の後の清めの席(葬式を手伝ってもらった人に食事を提供するもの。
以前はすべてが終わってから行っていたが、今は火葬の間に行うことも。
この日も火葬の間だった)で、和尚さんの前に座ることに。

「火葬時間が90分って、今時だと長いって文句言う人いそうですよね」
「確か、東京は40分の所があるそうです。ここも60分でできます。
4時の最終回(?)は60分です。でも全部を60分にすることについては、
近隣の人たちの反対もあるようです。隣の市は50分だそうです」
「そうですか。だんだん短くなるんですね。
でも、40分は短か過ぎないですかね」
「……」

「昔は、戒名には、季語を入れていたんです」
「え、そうなんですか。そういえば、今日の仏様の戒名も、梅月で始まりますね」
「そうなんです。でも今はほとんどそういう言葉を入れなくなっています。
代わりに生前の名前の文字を一字入れるということが多いですが、
これは戦争中に若い人がなくなると、生きていた時間が短くて可哀想だということで
始まったことのようです」
「そうなんですか」
「それまでは、生前と死後とでは別の名前ということで、生前の名前の文字を一字入れる
といったことはなかったようです」
「なるほで。別の世界ですから別の名前ですよね。でも、季語が入ると、
いつ亡くなったのかすぐ思い出せていいですね。
梅が咲いた冷たい雨の降る日に葬式だったよな〜って」
「そうですね」